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東京高等裁判所 昭和51年(行ケ)12号 判決

審決の取消事由の存否について考察する。

成立に争いのない甲第一号証、第三号証の一ないし五、第七号証、第九号証の一ないし五、第一〇ないし第一三号証によれば、本願意匠に係るギター用下ゴマは、それ自体の損耗、ギターの弦高調整のためばかりでなく、ギター奏者の好みのため自由に交換して用いられているので、ギターの部品ではあるが、互換性を有する単一物であり、かつ、通常の状態においてギター本体とは別個に独立して取引の対象となつていることを十分に認めることができ、右認定を覆すに足りる証拠はないから、ギター用下ゴマはその意匠登録に関しては一物品として取扱われるべきものというべきである。そうだとすると、本願意匠登録出願は物品の区分により意匠ごとに適法になされたものといわなければならないから、審決がこれを否定して本願意匠の登録をすることができないとしたのは違法というべきである。

よつて、本件審決の違法を主張してその取消を求める原告の本訴請求を正当として認容する。

〔編註〕本件における当事者の主張は左のとおりである。

第二 請求の原因

原告訴訟代理人は本訴請求の原因として次のとおり述べた。

(特許庁における手続)

一 原告は昭和四三年一二月二八日ギター用下ゴマを意匠に係る物品とする図面代用の別紙写真(〔編註〕省略)の意匠につき意匠登録出願をした(昭和四四年意匠登録願第一九〇号)が、昭和四六年一一月一七日拒絶査定を受けたので、昭和四七年二月七日審判を請求した(昭和四七年審判第五五六号)ところ、特許庁は昭和五〇年一一月一二日右請求は成り立たない旨、主文第一項掲記の審決をし、その謄本は昭和五一年一月一四日原告に送達された。

(審決の理由)

二 右審決は次のように要約される理由を示している。

審判請求人(本件原告)提出の証明書によつては、本願意匠に係るギター用下ゴマが互換性を有し、単独で販売されていることを認めることができない。したがつて、本願意匠登録出願は物品の区分により意匠ごとになされたものということができないから、その意匠は意匠法第七条の規定によつて登録を受けることができない。

(審決の取消事由)

三 右審決は、次の理由によつて違法であるから、取消さるべきである。

(一) 本願意匠に係るギター用下ゴマは、それ自体の損耗ギターの弦高調整のためばかりでなく、ギター奏者の好みのためにも自由に交換して用いられているので、ギターの部品ではあつても互換性を有する単一物であり、かつ、通常の状態においてギター本体とは別個に独立して取引の対象となつているから、その意匠の登録に関しては一物品として取扱われるべきものである。

(二) したがつて、本願意匠登録出願は物品の区分により意匠ごとになされたものというべく、これを否定する審決の判断は誤りである。

第三 被告の答弁

被告指定代理人は請求の原因について次のとおり述べた。

一 原告主張の前掲一及び二の事実は認める。

二 同じく三のうちギター用下ゴマの互換性並びに取引上の独立性に関する事実は知らない。その余の点は争う。

原告主張の審決は判断において正当であつて、審決に原告主張のような違法はない。

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